
NHK総合「ドラマ10」枠で放送される『テミスの不確かな法廷』は、司法の現場を舞台にした社会派ドラマです。主人公は、裁判官(判事補)の安堂清春。彼は、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠如多動症(ADHD)の診断を受けており、その特性と向き合いながら事件に向き合います。
本作は、原作の持つリアリティをもとに、司法制度の中で働く人々の葛藤や、特性を抱える主人公の視点を丁寧に描きます。
原作は、司法分野を長く取材してきた直島翔氏による同名小説(小学館文庫)。裁判所内部の描写や、判事補として働く主人公の日常がリアルに描かれています。
主人公・安堂清春(あんどう・きよはる)は、地方裁判所の刑事部に配属された若き判事補です。
ASDの特性として見られる「情報処理の独自性」や、ADHDの特性として知られる「集中の波」などを抱えながら、日々の業務に向き合っています。
公判では、証言や証拠の細部に目を向ける姿勢が描かれ、周囲が見落としがちな点に気づく場面もあります。その視点が、事件の「不確かな部分」を浮かび上がらせていきます。
松山ケンイチさんは、安堂清春の持つ特性や、周囲とのコミュニケーションの難しさを丁寧に表現しています。特性を「能力」として誇張するのではなく、人物像の一部として自然に描く演技が注目されています。
裁判所書記官・野村役には瀧内公美さん。安堂の業務を支える存在として、彼の特性を理解しながら関わっていく姿が描かれます。【出演】 松山ケンイチ 鳴海唯 恒松祐里 山崎樹範/市川実日子/和久井映見 遠藤憲一 他
本作では、一般的に知られる医学的知見を踏まえつつ、個人差の大きい発達特性を一人の人物として描いています。
いずれも一般的な傾向であり、個人差が大きいことを踏まえた描写になっています。
司法制度の中で働く人々の姿を丁寧に描きつつ、主人公の特性を「特別視」ではなく「個性の一部」として扱う点が本作の特徴です。
『テミスの不確かな法廷』は、直島翔氏の原作が持つリアリティを、松山ケンイチさんらキャストが丁寧に演じる注目作です。発達特性を持つ裁判官という視点から、司法の現場に潜む「見えにくい問題」を浮かび上がらせます。