
2025年12月20日にNHK Eテレで放送された『はじめましての2人旅』に出演し、大きな注目を集めているのが、俊弥(としや)さんです。
俊弥(としや)さんは、言葉が詰まったり同じ音を繰り返したりする吃音(きつおん)という特性を持っています。彼のプロフィールで最も重要なのは、自身の吃音を単なる「障害」や「克服すべきもの」と捉えるのではなく、「自分にしかない個性」として受け入れ、社会に発信している点です。
俊弥さんは幼少期から、特に言葉の出だしが詰まる「難発(ブロック)」に悩まされてきました。 「自分の名前が言えない」「注文のときに言葉が出ない」といった日常の困難を経験しながらも、彼は自身の声を届けることを諦めませんでした。現在はSNSやメディアを通じて、吃音がある人々の日常をポジティブに伝える活動を行っています。
番組『はじめましての2人旅』の企画は、初対面の二人が1泊2日の旅を共にするドキュメンタリーです。2025年12月20日の放送回では、俊弥(としや)さんと、モデル・俳優のゆうたろうさんが、冬の北海道・函館を舞台に旅をしました。
旅のパートナーのゆうたろうさんは、「自分らしくあること」を何よりも大切にする個性派クリエイターです。冒頭、俊弥さんは勇気を持って「自分には吃音がある」ことを伝えました。それに対し、ゆうたろうさんは「話し方ではなく、何を話そうとしているかを知りたい」というフラットな姿勢で接し、二人の旅は始まりました。
函館の坂道や市場、夜景を楽しみながら、二人は深い対話を重ねました。俊弥さんが言葉に詰まるたび、ゆうたろうさんは静かに、そして温かく「待つ」という行動を示しました。この様子は、多くの吃音当事者やその家族にとって、理想的なコミュニケーションのあり方として強く心に響くものでした。
俊弥さんの名前を広く世に知らしめたのは、彼が発起人・店長を務める「注文に時間がかかるカフェ」の活動です。このプロジェクトは、NHKの他番組やニュースでも取り上げられ、社会に「待つ文化」を提唱しています。
俊弥さんの活動は、吃音を「治す」ことよりも、吃音があっても当たり前に挑戦できる「社会の側の変化」を求めているのが特徴です。
今回のNHK『はじめましての2人旅』では、俊弥さんが函館の夜景を前に、「吃音があるからこそ、一言の重みを大切にできる」という趣旨のメッセージをゆうたろうさんに語りました。
これに対し、ゆうたろうさんも自らの表現者としての葛藤を明かし、「完璧ではないことが、その人の魅力になる」と語り合いました。二人の間に流れた時間は、単なる観光番組を超え、現代社会における「多様性と自己受容」の重要性を訴えるものでした。
「しゅんや」と誤読されることがありますが、正しくは「俊弥(としや)」さんです。今回の放送でも、ゆうたろうさんとのやり取りの中で名前が呼ばれています。
2025年12月20日に放送されました。最新の配信状況は、NHKプラスにて放送から1週間視聴可能なほか、NHKオンデマンドでも順次公開される予定です。
常設店舗ではなく、日本各地で期間限定のイベント形式で開催されています。俊弥さんのSNSや公式ウェブサイトにて最新の開催情報が告知されています。
NHK Eテレ『はじめましての2人旅』函館編。俊弥(としや)さんとゆうたろうさんの出会いは、言葉の「流暢さ」よりも「心」が大切であることを改めて教えてくれました。
重要ポイント: 俊弥さんは、吃音という特性を持ちながらも、それを発信のエネルギーに変えています。函館を共に旅したゆうたろうさんのように、私たちが「ゆっくり待つ」という選択肢を持つことで、より優しい社会が実現するはずです。