
Netflixオリジナルシリーズ「イクサガミ」は、明治11年の京都を起点に、292名の志士が「蠱毒(こどく)」と呼ばれる命懸けのゲームに巻き込まれ、東海道を東京へ進む物語です。作品の核には、剣と統治、そして流行する感染症「コレラ(コロリ)」が重なり、時代の混沌と人々の選択が描かれます。
「イクサガミ」の原作は今村翔吾の小説シリーズ。主演は岡田准一、監督は藤井道人・山口健人・山本透、脚本は藤井道人・山口健人・八代理沙。全6話完結で2025年11月13日よりNetflixにて世界独占配信されました。
「イクサガミ」の舞台は京都・天龍寺です。志士たちは木札と点数を巡るルールに従い、通過関所やチェックポイントを突破して東京を目指します。勝者には高額賞金が約され、敗者は脱落=死という非情な設計。流行するコレラ(コロリ)の影が動機と行動に影響します。
岡田准一(嵯峨愁二郎) ▲ 清原果耶(衣笠彩八) ▲ 藤崎ゆみあ(香月双葉) ▲ 二宮和也(槐) ▲ 玉木宏(菊臣右京) ▲ 伊藤英明(貫地谷無骨) ▲ 染谷将太(カムイコチャ) ▲ 吉岡里帆(嵯峨志乃) ▲ 山田孝之(安藤神兵衛) ▲ 井浦新(大久保利通) ▲ 田中哲司(前島密)
蠱毒(こどく)とは、古代中国や日本に伝わる呪術の一種で、複数の虫を器に閉じ込めて争わせ、最後に生き残った虫の毒を取り出して呪いに使うというものです。これは毒の濃縮・選別・支配を象徴する概念です。
コレラ(コロリ)はギリシャ語の語根に由来し、激しい下痢・嘔吐による体液喪失を特徴とする感染症です。明治期には虎列拉(音訳)と庶民語の「コロリ」が併用されました。この時代、都市部での衛生インフラ未整備が流行を助長しました。
原因はコレラ菌(Vibrio cholerae)。主な感染経路は汚染水・食品の経口摂取で、上下水道の不備、集団移動や混雑環境が伝播リスクを高めます。潜伏期は数時間〜数日と短く、急速に悪化しえます。
典型症状は水様性下痢(米のとぎ汁様便)、嘔吐、重度脱水(口渇・無尿・皮膚ツルゴール低下)、重症では低血圧・ショック。発熱は目立たないことが多いです。現代なら診断は臨床像+疫学情報(暴露、飲水環境、渡航歴)を総合し、必要に応じて便培養・迅速検査を用います。
Netflix「イクサガミ」公式作品情報/CINRA、映画.com、ORICON NEWS、シネマトゥデイ各種レビュー・インタビュー記事/WHO・CDC感染症ガイドライン/明治期の新聞・公文書における虎列拉表記