
濱口竜介が描く、ケアと魂の対話|原作・キャスト・あらすじ完全ガイド
2026年公開予定の映画『急に具合が悪くなる』は、『ドライブ・マイ・カー』『悪は存在しない』で世界的評価を得た濱口竜介監督の最新作です。
本作は、フランス・日本・ドイツ・ベルギーの国際共同制作。舞台はフランス・パリ郊外の介護施設「自由の庭」。
ケアの現場で出会う2人の女性の魂の交流を描いた、静かで深い人間ドラマです。
原作は、哲学者・宮野真生子さんと医療人類学者・磯野真穂さんによる往復書簡集『急に具合が悪くなる』(晶文社)です。
がんの転移を経験した宮野さんと、臨床現場を調査してきた磯野さんが、
「生きること」「ケアされること」「死に向かうこと」を語り合います。
介護施設「自由の庭」の施設長マリー=ルー・フォンテーヌ(ヴィルジニー・エフィラ)は、入居者を人間らしくケアしたいと願いながらも、現実の壁に悩んでいます。
ある日、がん闘病中の日本人演出家・森崎真理(岡本多緒)と出会い、彼女の演劇に心を動かされます。
偶然にも「真理」という名を持つ2人の女性。
病と芸術、ケアと対話を通じて、深い絆が生まれていきます。
「この本を初めて読んだとき、"映画にしたい"という火が心に灯りました。
往復書簡という形式、そして魂を賭けた議論に、どう向き合うか。
その灯火に導かれて、ここまで来ました。」
『急に具合が悪くなる』は、単なる闘病映画ではありません。
ケアの本質、対話の力、そして「人が人を支えるとは何か」を静かに問いかける作品です。