感染症が引き金となり、突然強迫症・チック・情緒不安定などの精神神経症状が現れる小児疾患――それがPANS/PANDASです。
この疾患は、溶連菌などの感染後に脳の炎症が起こることで、急激な行動変化や認知機能の低下が見られることが特徴です。診断や治療が難しく、家族の不安も大きい病気として知られています。
こうした複雑な疾患に対して、看護師は単なるケア提供者ではなく、患者と家族の「橋渡し役」として重要な役割を担います。
特に専門看護師や認定看護師は、精神科・小児科・感染症領域を横断する知識が求められ、「Key Nurse(キーパーソン看護師)」としてチーム医療の中核を担います。
この日は、カナダや米国の患者団体が定めた「World PANS/PANDAS Awareness Day」です。日本ではまだ認知度が低いものの、国際的には啓発活動が広がりつつあり、医療者の教育や制度整備が進められています。
この啓発デーは、看護師が複雑な疾患に対応する力を高める重要性を示す日でもあります。患者の「見えにくい苦しみ」に寄り添い、医療の枠を超えて支える存在として、看護師の役割はますます大きくなっています。