ひげ剃りのあと、鏡をのぞき込む。
・頬がますますこけてきた。
・目の下もくぼみが目立つ。
・しかしながら、癌づらとは思えない。
・とくに、癌色ではない。むしろ血色よく、てらてらしている。
・痩せたせいでか、メガネがしょっちゅうずり下がる。
・髪の毛、このあいだうちのストレート・ヘアが、いつのまにかまた元どおりウェーブ・ヘアになった。
(『おい癌め酌みかはさうぜ秋の酒: 江國滋闘病日記』江國滋/平成12年11月1日発行/新潮社)
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【敏塾の100冊】病院に入院すると、身のまわりのあれこれを観察し、記録していく方は多いです。自分の様子、日々の献立、窓からの景色...。これらが入院患者の「世界」なんです。