データの結果は次のとおり。
血糖値 120
中性脂肪値 146
総コレステロール 213
グリコヘモグロビン 6.9
久保医師は弾むような声で、
「これは立派ですね。よくコントロールしてます。私も長いこと大勢の患者を診断してきましたが、インシュリン注射の必要な患者でやめることができたのは、たいへん稀です。100人に3、4人もいるでしょうか。珍しいことです。これからのお仕事、がんばってください。私は医師として、やり甲斐があったというか、本当にうれしいです」
と、私に劣らず感激して言ってくれたのである。診察室を出るとき、私は自分の回復に自信が持てた。また、患者が回復することは主治医をこんなにも喜ばすことになるのかと、新鮮な驚きも覚えたのである。
(「糖尿列島: 10人に1人の病の黙示録」鴨志田恵一/1991年11月13日第1刷/情報センター出版局)
【敏塾の100冊】感激して本当に喜んでくださるお医者さんって...! 患者は医師の見ていないところで努力しています。そのことを受けとめて喜んでくださるなんて最高です。