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「タキる」とは?頻脈(tachycardia)の意味・症状・語源・SVTやVT

医療現場で使われる略語「タキる」と、頻脈(tachycardia)の定義・症状・原因、関連用語(SVTVTなど)を語源からわかりやすく解説します。

頻脈(tachycardia)の定義

頻脈とは、安静時に心拍数が100回/分を超える状態を指す不整脈の一種です。軽度の動悸から重篤な心室性頻拍まで幅広く、早期の評価が重要です。

主な症状

  • 動悸: 心臓がドキドキと速く打つ感覚
  • 胸部圧迫感: 胸の不快感や締め付け
  • 息切れ: 呼吸が浅く速くなる
  • めまい: ふらつきや視界が暗くなる
  • 意識消失の前兆: 重度では失神につながることも

主な原因

  • 発熱・脱水: 代謝亢進や循環量低下による心拍増加
  • ストレス・不安: 交感神経優位で心拍上昇
  • 運動直後: 一過性の洞性頻脈
  • 貧血・甲状腺機能亢進症: 酸素運搬や代謝の異常
  • 心疾患: 心房細動、心室頻拍、PSVTなど
  • 薬剤・刺激物: カフェイン、β刺激薬など

「タキる」とは?医療略語の意味

「タキる」は「タキカルディア(tachycardia)」に由来する略語で、頻脈状態を簡潔に伝える現場用語です。バイタル変化の共有や初期対応の判断を迅速化します。

使用例

  • タキってる: 患者が頻脈状態
  • Afタキ: 心房細動に伴う頻脈
  • 対応判断: 「タキってきたので酸素投与や安静を検討」

「tachycardia」の語源と関連用語

tachycardiaはギリシャ語の tachy-(速い)-cardia(心臓) に由来します。語源を知ることで、他の医学用語も直感的に理解しやすくなります。

頻脈と関連する医学用語(語源ベース)

Bradycardia(徐脈)

語源: brady-(遅い)+cardia(心臓)
意味: 安静時の心拍数が60回/分未満
補足: 病的な場合はペースメーカーが必要になることも

Arrhythmia(不整脈)

語源: a-(否定)+rhythm(リズム)+-ia(状態)
意味: 心拍のリズムが不規則になる状態
補足: tachycardiaやbradycardiaを含む広義の概念

SVT(上室性頻拍)

語源: supra-(上)+ventricular(心室)+tachycardia
意味: 心室より上の部位で発生する頻脈
補足: 突然始まり突然止まることが多い

VT(心室頻拍)

語源: ventricular(心室)+tachycardia
意味: 心室から発生する頻脈
補足: 重症化すると心停止のリスクもある

まとめ|「タキる」から広がる医学の語源と身体理解

「タキる」は頻脈を端的に伝える医療略語。その背景にある「tachycardia」の語源・症状・関連用語を知ることで、不整脈の理解が深まり、現場感覚も磨かれます。心臓のリズムが速すぎるとき、身体は何を伝えようとしているのか──言葉を手がかりに読み解いてみましょう。

参考情報

  • Cleveland Clinic|Tachycardia Overview
  • Cleveland Clinic|Bradycardia
  • NIH(NHLBI)|Types of Arrhythmias

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