AIと医療職の連携が進化中：助産師・看護師の現場では？

AI（人工知能）は、2025年の医療現場で「記録の自動化」「相談対応」「教育支援」「リスク予測」などに活用され、助産師や看護師の業務を静かに支えています。特に生成AIの進化により、文章作成や画像診断の補助がより自然で実用的になり、医療DXの推進に貢献しています。

施設別導入事例：AIが支える医療現場の変化

慶應義塾大学病院：カルテ要約と診療支援

慶應義塾大学病院では、自然言語処理AIを活用したカルテ要約支援を試験導入。助産師や看護師が記録した問診内容やバイタル情報をAIが整理し、報告書の下書きが数秒で生成されます。導入背景には、診療時間の確保と記録業務の負担軽減という課題がありました。

湘南記念病院：AI電話による予約業務の効率化

湘南記念病院では、2025年4月からAI電話受付システムを導入。助産師や看護師が対応していた予約業務をAIが担うことで、患者対応の質向上とスタッフの業務集中が可能になりました。導入の背景には、人手不足と長時間労働の改善があります。

HITO病院（愛媛県）：シフト自動作成と業務調整

HITO病院では、看護師向けにAIによるシフト自動作成を導入。夜勤の偏りや業務負担の調整に成功しています。導入の背景には、公平な勤務体制の構築とスタッフ満足度の向上がありました。日本看護協会主催「看護業務の効率化先進事例AWARD2022」の「AI・ICT等の技術の活用部門」で優秀賞を受賞しています

Ubie（ユビー）：問診支援AIによる初期対応の効率化など

Ubie（ユビー）の問診支援AIは、全国のクリニックで導入され、産後の相談履歴の整理や初期対応に活用されています。助産師や看護師が相談履歴をもとに、より深いケアにつなげる体制が整っています。導入背景は、患者との接点の質向上と情報の可視化です。南部徳洲会病院での導入事例ではIC記録作成など月間約4,000件の業務で「ユビー生成AI」の音声要約機能を活用し、月約200時間の業務時間を創出しました

国立がん研究センター：画像解析AIによる診断支援

国立がん研究センターでは、画像解析AIによる早期診断支援が進み、助産師・看護師が医師と連携して迅速な対応を行う体制が整いつつあります。導入背景は、診断精度の向上と希少疾患への対応力強化です。

まとめ：AIは、助産師・看護師の「そばにいる存在」

AIは、医療職の仕事を奪うものではなく、そっと支える存在です。記録や相談、教育の場面で負担を軽くし、助産師・看護師がもっと人と向き合う時間を持てるようになります。

2025年の今、AIは「現場の静かなパートナー」として、確かな一歩を踏み出しています。これからの医療現場では、人の感性とAIの技術が共に働くことで、よりやさしく、より確かなケアが広がっていくでしょう。