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日本赤十字社助産師学校の学生募集中止・閉校(東京都渋谷区広尾)

日本赤十字社助産師学校の学生募集中止・閉校(令和9年:2027年3月31日)

この記事では日本赤十字社助産師学校が「令和9年(2027年)3月31日をもって閉校令和9年(2027年)度以降の学生募集を中止」とする公式告知(令和7年(2025年)7月1日付)をわかりやすく解説します。最終の入学は令和8年(2026年)度で、在学生の教育は卒業まで継続される方針です。

産婆養成所から助産師学校へ(大正11年:1922年創設)

日本赤十字社助産師学校は、大正11年(1922年)に日本赤十字社が平時事業として開設した日本赤十字社産院に併設された日本赤十字社産院産婆養成所です。この養成所は、母子保健の充実を図るための付帯事業として始まり、その後の社会情勢の変化、医療技術の進展、法制度の整備に応じて教育体制を改編・発展させてきました。3300余名に及ぶ卒業生は、総合病院、周産期センター、助産院、自治体保健分野、国際協力等で活躍し、母子保健の標準化と質の向上に寄与してきたと評価されます。

閉校の背景:少子化分娩症例確保の難しさ(令和6年:2024年・出生数約68万人

公式告知では、閉校の主要因として少子化の進行と、助産師教育の核である分娩症例確保の難化が明示されています。日本の出生数は長期的な減少傾向にあり、令和6年(2024年)の出生数は約68万人と報告されています。これは、教育現場が「学生一人につき十回程度の分娩経験」を確保し、基礎技術・専門判断・倫理的配慮を実地で獲得させるための条件を満たしにくくなっていることを意味します。新型コロナウイルス感染症流行以降の社会・医療体制の変動も、症例数の確保に拍車をかけました。

学校側は、連携病院の拡大や実習設計の再編など、存続に向けた多様な可能性を模索し続けましたが、教育の質保証を崩さずに安定的な運営を継続することは困難であると慎重に判断。結果、「令和8年(2026年)度末で教育を完結できるよう最後の入学生を受け入れ、令和9年(2027年)3月31日をもって閉校」するというタイムラインが示されました。

令和8年(2026年)度が最終入学・令和9年:2027年3月31日閉校

閉校決定の骨子は、次の通りです。令和9年(2027年)度以降の学生募集は中止となり、令和9年(2027年)3月31日で学校は閉じます。令和8年(2026年)度の入学生が最後となり、在学生全員については、卒業まで教育の質保証に最大限取り組む方針が明記されています。教職員は就職支援進路確保にも誠意をもって対応するとされ、受験予定者・関係者への謝意とお詫びが丁重に示されています。

在学生への支援:教育の継続キャリア支援の方針

公式告知では、閉校までの期間、在学生が卒業まで充実した学生生活を送れるよう教育に万全を尽くす方針が示されています。学生は、学内の公式告知、シラバス・実習要項、キャリア支援の案内を定期的に確認し、不明点は早期に相談することで、学習計画・進路準備を滞りなく進められます。

Q&A:よくある質問

令和8年(2026年)度に入学した場合はどうなりますか?

令和8年(2026年)度入学生が最後の入学となります。学校は、令和9年(2027年)3月31日までに卒業へ導く方針を明言しています。教育継続、実習計画、就職支援、進路確保の体制は卒業まで維持されます。

令和9年(2027年)度以降の受験は可能ですか?

不可です。令和9年(2027年)度以降は学生募集を中止すると告知されています。

閉校は突然の決定ですか?

いいえ。学校は存続のためにあらゆる可能性を模索し、将来のあり方を慎重に検討した上で、教育の質保証安定的運営の観点から閉校を決断しています。背景には、少子化分娩症例確保の難化があり、教育標準を下げないための選択です。

参考

・日本赤十字社助産師学校「学生募集中止・閉校のお知らせ」(令和7年(2025年)7月1日付)
・文部科学省「文部科学大臣指定(認定)医療関係技術者養成学校一覧」(令和6年(2024年)5月1日現在)
・厚生労働省「課程変更等のあった看護師等養成所一覧」(発表年次に準拠)
・出生動向に関する公的統計(令和6年(2024年)出生数 約68万人の報告)

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