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毎年発表される幸福度ランキングでは、デンマークを含む北欧諸国が上位を占めています。その背景には、社会制度だけでなく人とのつながりのあり方が大きく影響しています。日本と比較すると、信頼の広がり方や参加のスタイルに違いが見えてきます。
デンマークでは、見知らぬ人や公共制度への一般的信頼が非常に高いと国際調査で示されています。これが幸福度ランキング上位の要因の一つです。市民はボランティアや地域活動に自発的に参加し、社会的結束を強めています。
デンマークでは、行政や福祉制度の透明性と公平性が信頼を支え、安心して社会に参加できる環境を作っています。
デンマークでは制度への信頼が、市民のオープンな参加と地域活動の活性化につながり、社会の一体感を高めています。
日本では、家族や近しい人への特定的信頼が強く、地域や職場の習慣的参加が中心です。これは安心感を生みますが、幸福度ランキングでは北欧諸国に比べて低い位置にとどまる傾向があります。
顔が見える関係を重視し、家族や地域の支え合いが生活の安定を支えています。
自治会や学校行事など、反復接触を通じて強い紐帯が育ち、地域の安心感を維持しています。
両国とも日常生活に互酬性(助け合い)が根付いています。さらに、SNSやオンラインコミュニティを通じて弱い紐帯が広がり、新しい情報や機会を提供しています。
家族や地域の結びつきは、安心感と継続的な支え合いを生み、生活の土台を支えます。
オンラインの交流は、趣味や学びの場を広げ、弱い紐帯を通じて情報や機会へのアクセスを高めます。
- デンマーク:一般的信頼が高く、幸福度ランキング上位。
- 日本:特定的信頼が強く、地域コミュニティ中心。
- 共通点:互酬性とオンラインでのつながり。
デンマークのように参加の敷居を下げる工夫(時間・費用・場所の柔軟化)と、日本の強みである反復接触の場(小規模・定期)を維持することを組み合わせると、安心と開放の両立が可能です。
World Happiness Report(幸福度ランキング)
World Values Survey(国際的信頼比較データ)
Dinesen, P. T., & Sønderskov, K. M. (2012). Diversity and Social Trust in Denmark.
OECD Better Life Index