塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

ADHDを支える工夫:日常に活かす支援と環境調整のヒント

支援は「特性を理解すること」から始まる

ADHD(注意欠如・多動症)の支援は、「できないことを直す」よりも、特性を理解し、環境を整えることが出発点です。本人の努力だけに頼るのではなく、周囲の関わり方仕組みづくりが、日常の困りごとを軽減します。

ペアレントトレーニング──家庭でできる関わりの工夫

ペアレントトレーニングは、ADHDの子どもを育てる保護者が、特性に合った関わり方を学ぶ支援プログラムです。主なポイントは以下の通りです:

  • 行動の見える化:やるべきことをリストや図で示す
  • 即時のフィードバック:できたことをすぐに認める
  • 叱るより、強化する:望ましい行動を具体的にほめる
  • スモールステップ:目標を細かく分けて達成感を積み重ねる

環境調整で「できる」を増やす

ADHDの特性に合った環境の工夫は、子どもだけでなく大人にも有効です。

  • 時間の見える化:タイマーや色分けカレンダーで残り時間を把握
  • 刺激のコントロール:作業スペースをシンプルに保つ
  • 外部化の活用:ToDoリスト、リマインダー、音声メモなどで記憶を補助
  • 切り替えの儀式:作業の開始・終了にルーティンを設ける

当事者研究──自分の特性を言葉にする

当事者研究とは、自分の困りごとや特性を言語化し、他者と共有する実践です。たとえば、小野和哉さんのように、自身の「だらしなさ」を分析し、どんなときに困るのかどうすればうまくいくのかを探ることで、支援のヒントが生まれます。

このプロセスは、本人の自己理解を深めるだけでなく、周囲の人が共感しやすくなるという効果もあります。

支援は「関係性のデザイン」でもある

ADHDの支援は、単なる「対処法」ではなく、安心して試行錯誤できる関係性をつくることでもあります。失敗しても責められない、工夫を一緒に考えてくれる人がいる──その安心感が、自己肯定感挑戦する力を育てます。

まとめと次回予告

ADHDの支援は、特性を理解し、環境を整え、関係性を育てることから始まります。次回はシリーズの最終回として、「共に生きる社会」をテーマに、共感と多様性のある未来を描いていきます。

参考

ペアレントトレーニング実践マニュアル、岩波 明『発達障害』、当事者研究に関する論文・実践記録(小野和哉 ほか)

資料請求

まえのページ

▲ このページのトップへ