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スマホやタブレット、学習時間の増加により、子どもの近視は今や社会問題となっています。NHKの健康番組NHK『きょうの健康』子どもの近視最新治療でも特集された通り、現代の近視治療は「ただメガネをかける」だけではありません。寝ている間に近視進行抑制コンタクトレンズや、進行そのものを遅らせる最新の選択肢が広がっています。
しかし、そこで気になるのが「高額な治療費」ではないでしょうか。実は、最新の近視抑制治療の中には、医療費控除の対象になるものとならないものがあります。本記事では、2026年最新の近視抑制コンタクトレンズの効果から、家計を助ける医療費控除の活用術まで、親御さんが知っておくべき情報をプロの視点で分かりやすく解説します。
子どもの体格が成長するのと同様に、眼球の長さ(眼軸長)も伸びていきます。近視の多くはこの「眼軸」が伸びすぎることで、網膜の手前でピントが合ってしまうために起こります。一度伸びてしまった眼軸を元に戻すことは現代医学でも困難です。
特に注意すべきは「強度近視」への進行です。将来的に緑内障や網膜剥離、近視性黄斑症といった失明リスクのある疾患を引き起こす可能性が高まるため、単に「見えないからメガネをかける」だけでなく、「進行を食い止める」ことが重要視されています。
2026年現在、眼科医療は大きな転換点を迎えています。これまでの近視対応は「対症療法(メガネ)」が中心でしたが、現在は「進行抑制治療」が標準的な選択肢となりました。特に注目されているのが、光の入り方を制御して眼軸の伸びを抑える特殊なコンタクトレンズや、低濃度アトロピンを用いた薬物療法です。
オルソケラトロジーは、特殊な形状の高酸素透過性ハードコンタクトレンズを就寝中に装用し、角膜の形状を一時的に平坦化させる治療法です。朝起きてレンズを外すと、一定時間視力が回復し、日中はメガネやコンタクトなしで過ごすことができます。
【メリット】
・日中のスポーツや水泳が裸眼で楽しめる。
・近視の進行を抑制する効果が多くの研究で報告されている。
・親の目が届く自宅で装用・管理するため、紛失やトラブルの早期発見がしやすい。
マイサイトワンデイ(MiSight 1 day)などは、近視抑制を目的として開発された1日使い捨てのソフトコンタクトレンズです。中心部は視力補正用、その周辺部は近視抑制用の特殊な構造になっており、網膜より手前にピントを結ばせることで眼軸の伸びを抑制します。
【メリット】
・ソフトレンズのため装用感が良く、子どもでも慣れやすい。
・毎日新品を使うため衛生的で、レンズケアの手間がない。
・世界中で承認され、高いエビデンス(科学的根拠)がある。
選択の基準は「お子さんの生活」にあります。オルソケラトロジーは、激しいスポーツをする子や、日中のレンズ装用を嫌がる子に適しています。一方、マイサイトは、ハードレンズの異物感が苦手な子や、毎日のレンズ洗浄が難しい家庭に向いています。眼科専門医による適応検査を経て、角膜の状態や近視の度数によって決定することが重要です。
高額な費用がネックとなる近視抑制治療ですが、オルソケラトロジーの費用は原則として医療費控除の対象となります。国税庁の回答によると、オルソケラトロジーは角膜の形状を矯正して視力を回復させる「治療」を目的としているため、その対価として支払う費用は医療費控除に含めることが可能です。
通常のメガネやコンタクトレンズの購入費は、一般的に医療費控除の対象にはなりません。これらは「日常生活を送るための道具」とみなされるからです。ただし、弱視や斜視などの治療用メガネとして医師が必要と認めた場合は、処方箋を添えることで控除の対象となる例外があります。近視抑制用レンズについては、「治療の一環であるか」という医師の判断がポイントになります。
2026年6月より、低濃度アトロピン(例:リジュセアミニなど)の診察や検査費について、一部の条件を満たす場合に保険適用が検討・開始される動きがあります。これまで全額自費(自由診療)だった近視抑制治療が、より身近になっています。ただし、薬代そのものが自由診療扱いになるケースもあるため、事前に通院先の眼科で「保険診療の範囲」と「自費の範囲」を確認することが、賢い家計管理のコツです。
医療費控除を受けるためには、医療費控除の明細書の提出が必要です。領収書の提出自体は不要になりましたが、税務署から提示を求められる可能性があるため、5年間の保管義務があります。また、オルソケラトロジーなどの自由診療の場合は、念のため「治療が必要である」ことが分かる診断書や処方箋も一緒に保管しておくと安心です。
医療費控除は、家族全員の医療費を合算できます。子どもの治療費だけでなく、お父さんの歯の治療費やお母さんの人間ドック費用なども含め、年間10万円(所得が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた分が控除対象になります。なお、スイッチOTC医薬品の購入費で控除を受けるセルフメディケーション税制とは併用できないため、どちらが有利かシミュレーションすることをおすすめします。
最新の研究では、太陽光に含まれる「バイオレットライト」が、近視を抑制する遺伝子「EGR1」を活性化させることが分かってきました。1日2時間程度の屋外活動が近視進行を有意に抑えるというデータもあり、学校の休み時間に外に出ることや、外遊びの重要性が再評価されています。※ただし、過度な紫外線対策(完全に光を遮断するサングラスなど)は、この抑制効果を妨げる可能性も指摘されています。
米国眼科学会が推奨する「20-20-20のルール」は、日本の子どもたちにも有効です。 「20分間近くを見たら、20フィート(約6メートル)先を、20秒間眺める」。これだけで目のピント調節筋肉の緊張が和らぎます。また、タブレットを使用する際は「目から30cm以上離す」ことを徹底しましょう。
A:一般的には小学校低学年(7〜8歳)頃から検討可能です。本人がレンズの取り扱いに協力できるか、保護者が管理をサポートできるかが判断基準となります。低年齢から始めるほど、進行抑制の効果は大きいとされています。
A:急激に悪化することは稀ですが、眼球の成長が止まるまで(多くは20歳前後まで)は、治療を継続することが望ましいとされています。勝手に中断せず、医師と相談しながら卒業の時期を決めましょう。
A:個々の目の状態によりますが、最近では「併用療法」(目薬とレンズの両方を使用)が最も抑制効果が高いという臨床データも出ています。費用対効果を含め、眼科医によるコンサルティングを受けるのがベストです。
近視治療は今、「見えるようにする」から「将来の目の健康を守る」ステージへと進化しました。オルソケラトロジーや最新のソフトレンズ、そして2026年から広がる保険適用の新たな選択肢を賢く選び、医療費控除などの制度を活用して、無理のない範囲で治療を続けていきましょう。
まずは、お近くの「近視抑制治療」に注力している眼科専門医を受診し、お子さんの現在の眼軸長を測定することから始めてみてはいかがでしょうか。
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