塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

『生まれてきてよかった-てんでバリバラ半生記』玉木幸則

ぼくは脳性まひです。生まれて三週間くらいまでに脳になんらかのダメージが加わって障害になるのが脳性まひです。脳が損傷した部位によっては、知的障害があったり、足だけが不自由だったり、言語障害があったりなど、いろいろです。

ぼくの場合、手足や言語に不自由があります。特徴としては、フラフラ歩く。手もフラフラして、字などうまく書けない。言葉は、普通にしゃべっているつもりですが、初対面の人には、聞き取りにくい場合もあるようです。最近、徐々に障害が重くなっていってるようですが、自分ではこんなものかなと思っています。

ぼくは暑がりです。くつしたは冬でもはきません。くつしたをはくと、熱が体にこもってしまって、筋緊張を起こしてしまいます。筋緊張とは、体が思うように動かなかったり余分な力が入ってしまったりして、ひどい場合は、極度の疲労感や頭痛におそわれることです。

はだしのほうが熱が体にこもらずに力が抜けていき楽になります。だから、家でも外でもはだしです。くつしたをはくのは冠婚葬祭のときだけです。会場まではだしで行って、会場近くでくつしたとくつをはいて式に参加し、終わったらすぐに脱ぎます。

冬などは、初対面の人はぼくの足下を見て、必ずといっていいほど「寒くないですか?」と尋ねられます。寒かったら、くつしたをはきますよね。最近は、説明するのもめんどくさくなってきたなあ。

こういう歩き方、しゃべり方、そしてスタイルすべてが自分にとっての普通ですから、階段を上がるのに時間がかかったとしても、別にがんばっているつもりはありません。

(『生まれてきてよかった-てんでバリバラ半生記』玉木幸則/2012年11月/解放出版社)

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