塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

『復活の朝 札幌発リハビリテーション物語』岡本五十雄(脳梗塞・高次脳機能障害)

私は「(患者は)右大脳の広範な梗塞により、麻痺は重度で、高次脳機能障害として、半側空間無視、着衣失行があり、また、周囲のことに無頓着なので、今後、どのように頑張っても職場復帰は難しいだろう」と説明しました。

理学療法士は「これだけ期間がたっているのに、座位をとらせても左側に倒れていきます。平行棒の中で立たせても体が次第に左側に倒れていきます。ゴールは車椅子レベルと考えられます」

作業療法士は「座位も十分とれませんし、着衣失行があり、服を着せても袖にどのように通していいかわからないようです。将来は家族の介助が必要と思います」。

看護婦は「食事をしてもお膳の上の物の左側半分を食べ残します。手にしたご飯やおかずそのものも左側半分残します。またご飯も周りに落として、とくに左側が汚れています。(略)」。

医療ソーシャルワーカーは「自動車会社の下請けの小さな販売会社ですが、社長に次ぐ地位にいます。子どもは中学3年生と小学校6年生の2人です。昨年、家を新築し、そこに安田さんの両親を呼んで一緒に生活しています。もし回復しなければ、退職しなければならないでしょう。(略)」と話してきます。
(『復活の朝 札幌発リハビリテーション物語』岡本五十雄/2000年9月25日/集英社)

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