塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

『受け手のいない祈り』(朝比奈秋 著)医師の経験で書いた医療小説

『受け手のいない祈り』は、芥川賞作家である朝比奈秋さんが、自身の医師としての経験を元に描いた医療小説です。物語の舞台は、感染症の拡大によって救急態勢が崩壊していく病院です。青年医師・公河が働く病院は、「誰の命も見捨てない」という理念のもと、過酷な状況下で患者を受け入れ続けます。


長時間に及ぶ連続勤務、極度の疲労、常に死と狂気が隣り合わせという救命の現場。朝比奈さんは、その壮絶な日々を、医師でしか知りえないリアリティをもって描き出しています。

「我々の命だけは見捨てられるのか」――この問いは、患者だけでなく、極限状態で働く医療者たちの心の叫びでもあります。献身的に他者の命を救おうとする一方で、自らの命を削っていく医師たちの姿は、読む者の心に深く突き刺さります。

この作品は、命を救うという崇高な使命と、それに伴う孤独や葛藤を鮮やかに描き出し、読者に深い感動と衝撃を与えます。単なる医療ドラマではなく、人間の存在そのものを問いかけます。

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