塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

アクティングアウト(行動化・行為化)とは:精神・心理・精神科認定看護師

アクティングアウト(acting out)とは、心理学において、抑圧された感情や葛藤を言葉で表現せず、行動として衝動的に表出させることです。日本語では「行動化」「行為化」と訳されます。

アクティングアウトは、言葉で表現できない心の叫びのようなもので、本人が自覚していない無意識的な感情や欲求が引き金となります。

例えば、強い怒りや悲しみを抱えているにもかかわらず、それを言葉にできない場合、物を投げたり、自傷行為に及んだりすることがあります。これは、感情のエネルギーを「行動」という形で発散させている状態です。

<子どもがするアクティングアウト>
親の愛情不足やストレスを、わざと物を壊したり、友だちに乱暴な態度をとったりすることで表現する。

<大人がするアクティングアウト>
職場での不満を、衝動的な買い物や暴飲暴食、無謀な運転などで発散させる。親しい人への怒りを直接ぶつけられず、代わりに全く関係のない人に攻撃的な態度をとる。

アクティングアウトの背景には、以下のような心理が隠れていることが多いです。

感情のコントロール不全: 感情を認識し、適切に処理する能力が未熟な場合。

過去のトラウマ: 幼少期の虐待やネグレクトなど、言葉で表現できないほどのつらい経験が、無意識の行動として現れる。

防衛機制: 自分の心を傷つけないための無意識の心の働きで、感情を意識の外に押し出し、行動に置き換える。

<治療と克服>
アクティングアウトを克服するためには、まずその行動の根本原因となっている感情や欲求を特定することが重要です。

心理療法、特に精神分析療法では、過去の経験や無意識の感情を言葉にしていくプロセスを通じて、アクティングアウトを減らしていきます。セラピストとの対話を通じて、感情を言葉で表現する方法を学ぶことも重要です。

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