塾長ブログ「一粒万倍」 - 社会人入試

「明治のナイチンゲール」大関知と柴田豊之進福綱・一夫多妻制

大関知(おおぜきちか)は「明治のナイチンゲール」日本の看護師の草分け的存在です。彼女が18歳のとき、明治9年(1876年)に縁談が持ち上がりました。相手は40歳の柴田豊之進福綱で、彼女より22歳も年上であり、すでに複数の妾(めかけ)がいました。

一夫多妻制から一夫一婦制へ
明治時代以前の日本では、上流階級を中心に一夫多妻制が一般的でした。しかし、明治維新を経て欧米との交流が盛んになると、西洋の法制度や倫理観が日本に持ち込まれます。

日本の近代化と一夫一婦制の確立
欧米列強から「野蛮だ」と見なされるのを避けるため、政府は近代化の一環として一夫一婦制の導入を急ぎました。この動きは、福沢諭吉や森有礼といった啓蒙思想家たちの主張にも後押しされました。具体的な法整備は以下の通り進められました。

1880年(明治13年):旧刑法で「重婚罪」が定められ、戸籍上の複数の妻を持つことが禁止されました。

1886年(明治19年):戸籍法から妾に関する規定が削除されました。

1898年(明治31年):旧民法が施行され、重婚が明確に禁止され、一夫一婦制が法的に確立しました。

この民法改正により、皇室でも大正天皇以降は側室制度が廃止されました。

2026年NHK朝ドラ「風、薫る」
大関知の生涯は、2026年放送予定のNHK連続テレビ小説「風、薫る」で描かれます。

主な参考資料:『明治のナイチンゲール 大関知物語』(田中ひかる 著)

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